osachi’s diary

MS 多発性硬化症が治る!? おJが受けるHSCTを隣で観察記録します。

さらばリタクシマブ

リタクシマブと言う薬。イギリスではまだMSに使う事が認可されていないそうで、NHSでは当然無理なのでプライベートの病院をドクターに紹介してもらってコンサルテーションに出向きました。コンサルテーションだけで200ポンド! いや、金の事は言うまい...

が!このプライベート病院でもリタクシマブをMSには使っておらず領域の違う分野なので治療を拒否されてしまいました。

困った。こんな時は以前メキシコでHSCTを受けたイギリス在住の人にどうしてるか聞いてみるのが一番。マンチェスターにあるプライベート病院を教えてもらいました。そんな中、最新の情報が届きました。

リタクシマブはHSCTの治療を受けた後2ヶ月毎投与する事が望ましいとされてしまいましたが、クリニカ ルイズが今までの研究の結果からリタクシマブを投与してもしなくても問題が無かった事で今後は必要ないとした模様です。

マジで! すごいタイミングだ。丁度私達のグループは今月の半ばからリタクシマブを始める予定だったので、アメリカやオーストラリアに住んでる人達はすでに1回目のリタクシマブを終わらせた人もチラホラいて。なかなか病院すら見つからない私達はちょっと悩んでいたこのタイミングで!

そして今日、おJの元にマンチェスターの病院からリタクシマブを扱っているので治療したければどうぞ、っと言うメールが何日も待ってやっと届きました。1回のリタクシマブになんと1000ポンド! コンサルテーション料がまた何百ポンドとか書いてあるし! いや、もう金の事は言うまい… がしかし...高すぎやろ〜!!!

でも、もう必要ないもんね〜。さらばリタクシマブ。イギリスってばリタクシマブをMSに使えないなんてダサいわね! なんて思っておりましたが今となってはそのお陰で大金はたかずにすみました。ウハウハ。マンチェスターの病院には、必要なくなっちゃった〜っと返信。今から酒屋に行ってシャンペン買っちゃお! 1回の投与1000ポンドX5回分とコンサル料とマンチェスターまで行く高い交通費を使ったと思えばシャンペンなんて安い安い、祝いの酒じゃ! 

 

最近おJは杖を使わずに自力で歩く練習中。ヨチヨチ歩きで距離もほんのちょっとだけど、頑張ってます。

バランスが大事なのです!

最近ずっと雨ですっきりしないお天気でしたが、今日は久々に快晴。とても気持ちが良い日です。そしてタクシーに乗っておJと一緒に病院へ行って来ました。7月になったら会う事にしたドクターとのアポイントメントの日でございます。こんなお天気の良い日に外出ってラッキー。いつもはバスでのんびり行きますが、今日は特別にタクシーで。バスの中でゴホゴホ言ってる人なんかがいたら嫌だなという言い訳。

おJを見てドクターから「顔色良いね」っとお褒めの言葉?を頂きました。頭の毛とひげが無いので一瞬誰だか分からなかった様ですが.... 

メキシコでの治療の内容が書き記された資料とあちらで撮ったMRIの写真を持参したので見て頂きました。「ふむふむ。なる程。面白いね」

「で!私達はとっても知りたい事があるんです。退院の時のメモに6ヶ月間レストランフードだめ。ってあるんですけど〜。本当に6ヶ月もダメですか?」実は同じ質問を先週かかりつけ医に薬をもらいに行った時にもしたのですが、神経のスペシャリストのドクターに聞いてみたかったのです。答えはどちらも一緒。「バランスが大事。ダメなんて事はないよ。」との事!やったー!

私てば3朝昼晩の3食を用意するのが思ったより大変だったので、へこたれ気味だったのです。本当にやったー!って感じで。外食解禁! イーハー♪

そして今日ひとつ重大な事に気付いたのですが、おJがMSになってから一番困っていたのがトイレのコントロールだったのですが、今日病院に行くのにトイレで緊急事態!っとならず、とても本人もリラックスした感じで外出出来ました。もしかして、もしかして。HSCTの後膀胱の問題が最初の早い段階で改善されるって噂通り、これって良くなって来てるって事かしらん!だったら嬉しいかも〜!

まだこれと言って目に見えて変化を感じて無かったのですが。これから楽しみかも。

 

外に出てみました

外食禁止6ヶ月って長いっ!

メキシコから戻って1週間、家でじっとしていたおJですが、そろそろ外に出たくなって来たようです。6ヶ月間飲み続けないといけない薬を手に入れないと行けないので丁度良い。薬局行ってついでにいつものスパニッシュレストランに寄ってコーヒーだけ飲んで帰るか。

メキシコで貰った処方箋を見せてお尋ねです。「これ貰えますか? 」ところが残念な事にイギリス国内かヨーロッパで処方された薬なら出せるけど、メキシコじゃダメだって。「すぐにかかりつけ医に連絡してフォームにサインしてもらって。多分サインしてくれると思うよ」とな。じゃあ、おJが後で電話するっと。

さあーて、ではコーヒー飲みに行きますか。

レストランに行くとやっぱり私は我慢出来ない。おJはコーヒーだけど、え~い私は食べちゃえー! と言う事でどでかいブランチを頼んじゃいました。その名もエルグランデ。おJが妬ましげな視線が痛い。で、おJさん、食べても大丈夫そうなのを選んでオーダーしちゃいました。チョコラテ チュロス

と、そこへ知った顔のお店のお兄さんが私達を見つけてやって来ました。「帰ってきたの?どうだった? 」おJ、「見よこの頭を! 」「おお! 」っとまあ久しぶりに戻って来て歓迎して頂きました。良かった良かった。「本当はあんまり出歩いちゃいけないんじゃないの?」良く覚えていらっしゃいますな。「 スペイン語話せた?」 へへへ。お店に来る度ちょっとずづスペイン語を教えてもらっていたので気に掛けてくれていたようです。「いや~」全然ダメだったす。でも病院では英語だったし。あははははは。スーパーで話しかけられる度、笑って誤魔化してた事は黙っていよう。

はあ〜、お腹いっぱい 。おJはちっこいチュロスをチビチビ食べていましたが私は満足しました。さて帰りますかの。って、ちょっと待て! おJ、外食禁止じゃ無かったの? うーん、どこまで良くて何処からダメなのか分からんな。まあ、いっか。

ちょっとずつ普通の生活に戻していくって事で。今日はこれで充分アドベンチャー

さ、帰ったらおJのお昼だけ準備しますかの。よっこらしょっと。

 

 

引き籠もりです

今日は一番日照時間の長い日だとか。朝3時半頃目が覚めたら既に外は明るくなり始めていて、あー、メキシコじゃないや、戻って来たんだったと思い直した次第です。時差ボケで変な時間に眠くなったり夜中目が覚めたり。復活まであと2,3日掛かりそうな予感。

おJは2ヶ月は外に出ない方が良いそうなので家での引き籠もり生活が始まりました。2ヶ月って長いよなあ。なんて思っていたら友達が忙しい時間を縫って遊びに来てくれました。ちょうど髭を剃り落としていた時だったので、驚かれてしまいました。頭は剃ってもどうしても髭は剃りたく無かったみたい。しかしおJの行く部屋行く部屋に髭が落ちてて私がもう堪りかね、おJに懇願してやっと剃って貰っていた最中の訪問だったのです。中途半端な髭のままコーヒーを飲みながらメキシコの治療について話をするおJ。ぷぷぷ

今迄だったらこのまま一緒にお昼に行ったり出来たのですが。なんと6ヶ月間レストランの食事は避けるべきとの厳しいお達しです。諦めました。なんか辛い。6ヶ月、せめて外出禁止解除になった頃、外食もオッケーにならんかな。

友達の帰り際、「引き籠もり生活になんか必要なのある? 本とか持ってこよっか?」 有り難い申し出です。が、おJ、本は読もうと思ってまだ読んでない本が大量に。その上ネットフリックスが忙しく、おJ的にはまたとない機会だそうで。じゃあ、「次は食べ物持ってこよっか、煮込んである奴なら良いんだよね」「!!!」是非お願いします。食べ物大好きです。早く遊びに来てね。っておい!

引き籠もり生活の必需品。未読の本とネットフリックスとお友達が持ってきてくれる食べ物。

でも本当は会えるだけで嬉しいんだけどね。なんてったっておJはお喋り大好きだからね。お付き合い頂きどうもありがとうございます。

出発です!


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今日いよいよ出発です。イギリスヘ帰ります。さよならプエブラ。さよならメキシコ。メキシコで生まれ変わったおJ。次に来る時は車椅子無しで来ますよ。朝は雲に隠れてたポポカテペトルがちょっとの間、頭のトッペンを表してくれました。ありがと、ポポ。またね!

この約1ヶ月の間、振り返ってみると変化にとんだ何だか意外と暇な様で忙しい毎日でした。危険な治療だとかお金をぼったくる為の治療だとか、来る前は色々な情報もあって、ここに来た患者とケアラー全員少なからず不安もあったけれど、来てみたらそんな情報は信頼性に欠ける取るに足り無い事だったと実感しました。全てが本当に見事にオーガナイスされていて不安に思う事も不便に感じる事も無く治療に専念できました。入院では無くアパートでケアラーと一緒に生活出来るのも、自分の家にいる様でとてもリラックス出来て患者とケアラー両方に良いなと感じました。そして患者同士、ケアラー同士での交流も沢山あってお互いに助け合ったり時間を見つけて遊びに行ったり。一人じゃ出来ない事も皆と一緒なら出来るのがとても楽しかった。ここで出会った全ての人に大大大感謝。これからもフェイスブックやメールで繋がっていく約束です。

そしてこれからはアフターHSCTの人達と一緒に経過を見守る予定です。

あと1時間。アパートの外にバスが来ます。残念ながらドライバーはハビエさんではありませんが、昨日ばっちり挨拶したし。名残惜しいが立つ鳥跡を濁さず。最後の部屋の片付けして、メキシコシティの空港まで、いざ出発じゃあ!

 

お別れですね。Day+10

全員のHSCTが終わった木曜日、アパートの屋上にあるルーフガーデンで皆で食べ物を持ち寄りパーティータイム。皆、野菜に飢えてる気がして私はラタトゥイユを作って持っていきました。パスタやBBQ、ケーキにテキーラまで用意してあって豪華な食事になりました。私のラタトゥイユ、メキシコの超熟したトマトや季節の夏野菜がそのまま食べても美味しいくらいだったので大当たり! 自画自賛の出来ばえ。しばらく食欲不振が続いていた皆さんに喜んで頂きました。メキシコの野菜達に感謝。ケアラーチームはテキーラショット。メキシカン流の乾杯で盛り上がりました。

そして本日、金曜日。いつもの部屋のお掃除をしてくれるブランカさんと最後のお別れです。この1ヶ月、ブランカさん毎日ちょっぴり話すのが楽しみだったので、別れを惜しんでちょっぴり切ない気分になってしまった。

さて、気を取り直し、最後お出かけに出る事にしました。デビーさんを誘っておJと3人でチョルーラと言う街へ買い物にゴー。チョルーラは以前ピラミッドに行ったあの街です。

沢山お土産を買い込むデビーさん。私も酒を買って大満足。

夜は最後のお別れで皆で屋上ルーフガーデンヘ集まっておしゃべり。けれど明日は早くに出発する人もいて徐々に一人減り、二人減り。最後にいつものグループ3のメンバーが残ってそれぞれハグしてお別れとなりました。

ここまで長い様で短いメキシコの1ヶ月本当に別れが切ない、けれど希望に溢れる別れとなりました。

出発時間が遅めの私達は最後にアパートを出るので、明日もう一度、皆の見送りに行こうかな。

最後のリタクシマブとブランチ Day+9


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本日、8時半集合、バスで病院へ。最後のトリートメントにリタクシマブと言うマブイ薬をおJの体に投入して、ここクリニカルイズでの治療は終了です。さあ、病院到着。いつものキモセラピールームへ直行です。3時間ポタポタ薬を落としていきます。その間に今までの血液検査の結果表などを頂き退院の為の書類に一枚サインして、病院やスタッフの評価表に記入、全部エクセレントでしょ。

リタクシマブはNeutropenia が終わったら始めるそうで、それぞれ個人のリカバリーによるため今までずっと一緒に治療を受けたいたメンバーが少々入れ替わって今日はグループ2のダンさんとグループ3のいつものアンジェロさん、そしておJの3人が同じ時間にリタクシマブを始めました。

1時間くらい経過した頃、3ヶ月前にHSCTを受けた人が今日は一緒にリタクシマブを受けるということで登場です。この薬、おJもイギリスに帰ったら時々投与しないといけないのですが、今日来たカナダの方(超フレンドリーだったのに名前忘れちゃった!ごめんなさい。)は自国でやるよりメキシコでやった方が良いからという理由で毎回こちらで投薬してるんですって。で、HSCT3ヶ月の先輩ですもん、色々聞きたい事があったんですよ。「その後どんな感じなんですか?」クリニカルイズに来たばっかの時は歩けるけれどバランスが悪くてフラフラ歩いてたんですって。過去を知るハビエさん曰く彼もちょっと今のアンジェロさんみたいな感じだった、との事。アンジェロさんも杖は使わないけれどやっぱりバランスが悪いので歩行困難な方なのです。それが今ではスイスイ歩ける!とてもMSだったとは思えない。3ヶ月でこんなに良くなるのか〜。先輩のアドバイスは「とにかく焦っちゃ駄目」だそうです。「出来ると思って頑張り過ぎないこと。」教訓!

そんなアドバイスをありがたく頂きつつ、キモセラピールームでしとやかに過ごしていた私に目配せする人物が。デビーさん、スプーンを口に持っていくしぐさで、行こうぜっと誘ってきます。来たな!「行きまっせ!メキシカンでゴーすっよね?」「もちろんよ!」「ごっちゃ!」

これも最後のメキシカンブレックファースト?いや、ブランチか。「今日はどこ攻める?」ハビエさんが丁度外にいたのでオススメを聞いてみます。「おっけーいってらっしゃーい。」「なんか力抜けてんなハビエさん。」「良く食うなって呆れてんのかな」「ははは。」アントニーさんのリタクシマブは午後からに決まったので残念ながらいつものジョーンさんがいないのが悔やまれますが、今日もグーグルトランスレートを駆使してメニューを検索です。オーダーまでに時間のかかる困った客にも優しいウェイトレスの女の子がかわゆい!そしてオーダーの合間にパンとサルサ各種をテーブルに運んできてくれました。「なになに。全部乗せちゃえ〜。」「うっわー美味しい!」「これは止まんないよね。やばいよね。」そんな事言いつつガツガツしてたら頼んだ卵や豆やコロッケの様なものが出てきました。これまた今まで食べたのとは違ってうまいな〜。デビーさんもいつも通りいい感じでメキシカン行っちゃってます。「あー、もう帰りたくないよね。」「ほんと、今まで行ったとこどこも美味しかったね。」「あれ、私達何しに来たんだっけ、治療?食べ歩き?」あははは。「まあ、今まで大変だったんだから時にはいいでしょ、こんな息抜きも。」本当にこのHSCTで出会った人達、皆親切でフレンドリーな良い人ばかりで、これも最後かと思うとちょっと名残惜しい気持ちになったブランチでした。

ブランチから戻ったら今回もちょうどいい感じで薬の終わりが近づいてました。何を食べたかアンジェロさんに聞かれて、最初は「あー、まあまあだった。」っと口を濁していたデビーさん。「嘘だろ」 「あー、実は今日もまためっちゃ美味しかったのー。」っと説明始めたデビーさん。止まりません。レストランで食べられないアンジェロさんを思って、まあまあだったって答えてあげたのにね。聞くもんじゃないぜって顔してデビーさんの話を聞いてるアンジェロさんがちょっと笑えた。

さあ、アパートに戻りましょう。明日からフリー。おJが調子が良ければちょっとだけ外に出るのも良いかもね。